『そっと背中を押してくれる(仮)』⑤
- 2020.12.02
- 小説
(今のところ、なんの盛り上がりもなく進んでます。
ちょうどいいところまで、とりあえず進めたい。)
そこから私たちは、2週間に一回のペースで食事に行くようになった。
彼との食事は、会話やお酒のペースが合い、好きなテレビドラマの話やこれまで行った旅行の話などで盛り上がった。
普段の会話やメッセージのやり取りからも、彼の真面目で丁寧な人柄がうかがえる。
「橋下さんは、A型ですか?」
「はい」
出会ってから2か月が経った。
いつものように食事を終えて駅への帰り道、
彼から突然、「立花さんは、子どもはお好きですか?」と聞かれた。
「あ、はい、好きですけど。」
「そうなんですね、僕も好きです。あ、そうだ、来週、映画観に行きませんか?」
「いいですね!行きましょう!」
私たちは、さっきまで話していた今話題の映画を一緒に観に行くことにした。
翌週、私たちは映画の帰りに彼が予約してくれたスペイン料理のお店に行った。
落ち着いた雰囲気の店内は、私たち以外お客さんはいないようでとても静かだった。
だいたい私たちはいつも同じくらいのペースでお酒を飲むが
今日は、いつもより彼の飲むペースが早い。
そんなことを考えていると、
だんだん彼の口数も減ってきているような気がして、
そして、一瞬の沈黙の後、
彼から「付き合ってくれませんか?」と言われた。
突然のことで、びっくりした。
久しく恋愛をしてこなかったせいもあり、
異性から恋愛対象として告白されるなんて、想像もしていなかった。
(続く)
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