『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑨
- 2022.02.16
あまりにも予想していなかった人物の登場に私の心は動揺していた。 咄嗟にホームの自動販売機の後ろに隠れた。 そこにいた男性は数時間前まで顔を合わせていた健二だった。 そして隣には少しお腹が大きくなってるように見えた女性。 胸に手を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。 その時、ちょうど来た反対車線の電車に咄嗟に飛び乗った。 車内、窓に打ちつける雨足がだんだんと強くなってきたのを感じる。 窓の外を眺めながら […]
〜スローダンス〜
あまりにも予想していなかった人物の登場に私の心は動揺していた。 咄嗟にホームの自動販売機の後ろに隠れた。 そこにいた男性は数時間前まで顔を合わせていた健二だった。 そして隣には少しお腹が大きくなってるように見えた女性。 胸に手を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。 その時、ちょうど来た反対車線の電車に咄嗟に飛び乗った。 車内、窓に打ちつける雨足がだんだんと強くなってきたのを感じる。 窓の外を眺めながら […]
その日は朝から曇っていた。 健二は10時頃、家を出て行った。 クリニックの予約は13時からなので、12時過ぎに家を出れば間に合うが すでに身支度が整い終わり落ち着かない様子でテレビを眺めていた。 結局、いつもの癖で早めに家を出ることにした。 クリニックに向かう電車の中、入り口付近に立ちながら窓の外を眺めていると 雨が降り始めた。なんだかついてない日だなという思いが不安な気持ちにさせる。 クリニック […]