小説

1/3ページ

『そっと背中を押してくれる(仮)』について

  • 2022.04.23

このブログも初めてから2年以上が経って、 最初こそはそこそこ更新できてたけど、だんだん更新頻度も下がり 最近は『そっと背中を押してくれる(仮)』の更新のみになり、それもかなり更新頻度が低くなってしまいました。 この話を書いてみたいと思った時、すでに頭の中ではストーリーは結末まで大体できてたんですが 実際に書き始めてから1年以上が経ってしまいました。 今までこのお話を読んでくれた皆様、もしかしたら続 […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑨

  • 2022.02.16

あまりにも予想していなかった人物の登場に私の心は動揺していた。 咄嗟にホームの自動販売機の後ろに隠れた。 そこにいた男性は数時間前まで顔を合わせていた健二だった。 そして隣には少しお腹が大きくなってるように見えた女性。 胸に手を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。 その時、ちょうど来た反対車線の電車に咄嗟に飛び乗った。 車内、窓に打ちつける雨足がだんだんと強くなってきたのを感じる。 窓の外を眺めながら […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑧

  • 2022.02.09

その日は朝から曇っていた。 健二は10時頃、家を出て行った。 クリニックの予約は13時からなので、12時過ぎに家を出れば間に合うが すでに身支度が整い終わり落ち着かない様子でテレビを眺めていた。 結局、いつもの癖で早めに家を出ることにした。 クリニックに向かう電車の中、入り口付近に立ちながら窓の外を眺めていると 雨が降り始めた。なんだかついてない日だなという思いが不安な気持ちにさせる。 クリニック […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑦

  • 2021.10.06

不妊検査を受けてみよう、そう少し前から考えていた。 10代の頃、大人になったら仕事もプライベートも充実してて 20代後半になったら結婚して子どもも育ててるだろうと、そんな漠然と将来を考えていた。 大学卒業後、社会人になって毎日の忙しさに追われてるうちにあっという間に20代が過ぎていった。 そして、30代になった。 もし健二との間に子どもを授かれなかった場合、この先どうするのだろうか。 また誰かと恋 […]

総理の夫。

  • 2021.09.30

※すみません、映画・原作本の内容とは直接関係ありません。                                                                                                                                                                             […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑥

  • 2021.09.12

土曜日、梨沙子は高校時代の友人たちとランチに来ていた。 定期的に集まる仲で、こうやって4人で集まるのは1年ぶりくらいになる。 「うちは旦那は家事もやってくれるし、今日みたいに土日も子ども達と遊んでてくれるからすごい感謝してるんだけど、子育てについてはいつもすっごい揉めてるよ。結局いつも子どものこと怒ってるのは私で、怖いママと優しいパパ。おまけに最近は旦那の両親までいろいろ口出ししてきそうで本当嫌に […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑤

  • 2021.06.19

気づいたら梨沙子と健二が一緒に暮らし始めて半年が経とうとしていた。 普通の恋人同士のような何気ない、充実した毎日を過ごしていた。                                                                          「実は母親が入院することになったんだ」 ある日の夕食時に健二から話があった。 「え、そうなの?大丈夫?」 「スーパーの駐車場 […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①④

  • 2021.06.06

あの夜以降、梨沙子と健二の関係は少しずつ変わっていった。 今までより会話をするようになった。 たくさん連絡を取り合うようになった。 平日、仕事が早く終わる健二が梨沙子を駅まで迎えに行くようになった。 スーパーで買い物をして帰る。 スーパーでどっちのアイスを買おうか悩んでる梨沙子に、 「両方買いな。半分個して一緒に食べよう!」と健二が言う。                               […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①③

  • 2021.05.08

梨沙子自身、自分の面倒くささに自分で面倒くさくなる時がある。 前の彼にプロポーズされた時もそうだった。 彼には”転勤することになったから、ついてきてほしい”と言われた。 好きだから一緒についてきてほしいのか、私だからついてきてほしいのか、それとも転勤についてきてくれる人なら私以外の誰でも良かったのか。 ”ついてはいけない”という梨沙子の言葉に、彼は”わかった”と言ってそのまま私たちの関係は終わった […]

『そっと背中を押してくれる(仮)』①②

  • 2021.05.02

温泉旅行から2日後、大事な話があると健二から呼び出された。 健二の様子から緊張が伝わってきた。 そこで健二からゆっくりと言葉を選びながらこんな話をされた。 「子どもをつくることを前提に一緒に暮らさないか」と。 結婚を前提に付き合おというのはよく聞くが、まさかその先の子どもをつくることを前提に一緒に暮らそうなんて言われるとは思わなかった。 そして、健二はこう続けた。 「結婚したら、いずれは子どもも育 […]

1 3