『そっと背中を押してくれる(仮)』⑩

『そっと背中を押してくれる(仮)』⑩

健二は31歳の頃、結婚を考えている相手がいた。

付き合って2年、同棲を始めて半年が経とうとしていた時のことだった。

相手の浮気が発覚して、別れることになった。

健二としては、結婚間近だと思っていたしかなりショックを受けて、しばらくは引きずっていた。

それからの2年は、恋愛から距離を置いていた。

そして30代後半に近づいてきた時、やっぱり結婚したいっていう思いが湧いてきた。

しかし、そんなに出会いはない。30代も中盤に近づくとなおさらだ。

そんな思いから、婚活パーティに参加してみたりしたがいまいちピンとこないでいた。

そんな時出会ったのが梨沙子だった。

彼女の醸し出す雰囲気に惹かれて、自分から声をかけた。

さらに一緒に過ごすうちに、彼女の一生懸命で真面目なところ、自分のペースで自分の世界観を持っているところに惹かれていった。

結婚はしたい、結婚するならいずれは子どもが欲しい。

好き同士で付き合っても、結婚できない場合もある。

結婚まで行けても、上手くいかない場合もある。

じゃあ、結婚を前提に出会って、後に結婚しても、もし子どもができなかったら?

婚活パーティーに参加していて、健二が感じていたことだ。

そんな思いを抱えていた健二は、梨沙子との出会いに掛けてみることにして

梨沙子にある提案をすることにした。

                                                                        

(続く)