『花束みたいな恋をした』感想・レビュー

『花束みたいな恋をした』感想・レビュー

『花束みたいな恋をした』

先週の火曜日にレイトショーで観てきました。

                                                                        

花束みたいな恋をした

主演:有村架純 菅田将暉

脚本:坂元裕二(「東京ラブストーリー」「最高の離婚」「カルテット」)

監督:土井裕泰(「罪の声」「映画 ビリギャル」)

東京・京王線の明大前駅で終電を逃したことから偶然に出会った大学生の山音麦(菅田)と八谷絹(有村)。好きな音楽や映画がほとんど同じだったことから、恋に落ちた麦と絹の5年間の恋模様が描かれてます。

                                                                        

感想・レビュー

ネタバレ含みます。

最初はそんなに惹かれてなかったんですけど、最高の離婚っていうドラマが好きで、坂元さん脚本ということを知って観に行きました。

「東京ラブストーリー」とか「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」も坂元さんってことを初めて知ってびっくりしました。

感想ですが、めちゃくちゃリアルでした!

リアルっていう言葉で表現したくないけど、リアルでした。

(それしか表現が思いつかない)

大学生の二人が出会ってから恋のキラキラした時期、そこからすれ違っていく様、描写がリアルでした。

恋愛的なところはもちろん、人間が描かれてるっいうか、人の心理描写だったり気持ちの変化みたいなのが丁寧でした。

もちろん、終電逃して、趣味もあんなに一致して、そんな運命的な出会いなんてないよーって感じもするし、でも端から見れば皆なそれぞれの恋愛もあんな風にキラキラして見えるのかもしれないです。

実際の出来事と関連させながら、5年間が丁寧だけど、凝縮されて、描かれてます。

SMAPの解散だったり。

学生から社会人って特に置かれる環境とか社会に対する見え方、価値観が変わっていく時期で、それと合わせながら2人の関係が変わっていく様がすごく共感できました。

胸キュンとか何か大きな出来事があるわけじゃないけど、そこに確かにある、そこにその時代を生きて来た人たちがそこにいるっていう、日常が描かれてます。

1度は恋愛をしたことある人、20代後半以降の人は特に共感できそうなストーリーです。

                                                                        

印象的なシーン・良かった点

サブカル???

劇中にたくさんサブカル要素が出てきます。

正直、知らないところも多かったんですけど、知らなくても、もちろん楽しめます。

サブカル好きな人も劇中のセリフに共感してたみたいです。

Awesome City Clubは、架空の登場人物かと思ってて、見終わった後、実在の人ってことを知ってびっくりしました。

押井守さんは分かりました笑

余韻に浸っていたいんだ

あー、あの感じ分かるってなりました。

楽しい時間から急に現実世界に戻ってきて、布団の中で楽しかった時間に浸りたいっていう瞬間、わかるなぁってなりました。

それ以外にも、好きなセリフや印象に残ってるセリフが多くて

一つ一つのセリフの表現がやっぱり上手いなって思いました。

「こう言うコミュニケーションは頻繁に取りたい方です」

「電車に揺られて」

(セリフ正確じゃなかったら、すみません。)

すれ違うシーン

麦の先輩?がなくなってお葬式の日のシーンも気持ちがすれ違っちゃった決定的なところで上手いなって思いました。

同じシーンをそれぞれの視点、語りで描かれます。

同じ出来事に対するお互いの温度差、そこから向き合えなくなっちゃって余計にすれ違ってしまいます。

その他にも、同じ部屋にいるのに絹の方は興味ないけど一緒にゲームをしたくてゲームをしてみたり、イヤホンをしながら仕事をしてる麦に声をかけられなくなっちゃったり。

近所のパン屋が閉店しちゃったことへの温度差。

就職や働くことへの考え方のズレ。

最後のファミレスのシーンのセリフでも、一緒にいることへの意識の違いなんかが出てましたよね。

二人の親が出てくるけど、育った環境なんかが違うことも影響してるんだなって感じました。

麦のイラストの単価が下がったこと、多分絹には話してなかったんだろうなって思います。

ミイラ展とガスタンク

最後、観覧車かな?で実はお互いミイラ展とガスタンクに興味がなかったことを話します。

そこもまた良かったなって思いました。

奇跡的に、趣味嗜好が一致してるように見えてた二人だったけど、最後に実は興味がなかったと話すところ。

(もっと早くそういうことを言えてたら、、、)

なんでも一致してるように見えて、実はお互いに共通点を探してたのかもしれないですね。

結末

映画の冒頭は、カフェで麦と絹が別々の異性といるシーンから始まります。

最初、そこが出会い?のシーンなんて思いましたけど、そこから二人の過去の5年間に遡ります。

最後の方まで、別れない結末もある?とか、最後再開して復縁もあり?って思ってました。

あの結末というか、あの終わりかたをしたこの作品に対する受け取りかたもいろいろありそうですよね。

恋愛って刹那的だなとか、あんなに仲の良かった二人でも別れがきちゃうとか

一方で、やっぱり恋愛っていいなぁとか、また恋愛したくなる人もいるのかな。

いまを生きるすべての人にっていう宣伝だったけど、

その言葉通り、最後には”今”が描かれてたなって感じました。

最後振り返らずに手を振るシーン、お互い振り返らないで今とこれからに進んでるように見えました。

でも、やっぱり息ぴったりじゃん!ってなりました。

そして、Googleearthで最後二人がそこにいた形跡が見つけます。

あれは確かにそこに二人がいたよってことなのかな?

                                                                        

                                                                        

どんな映画でもそうですけど、

見終わった後、いろんな人のレビューを見るのが好きです。

そういう解釈もあったのかとか違った視点での感想からの気づきがあります。

見終わった直後だったり好きな映画だと特にその世界観に浸ってたくなります。

また、この映画は見直したいなぁ。

新たな気づきか発見がありそう。

そして、菅田さん有村さんの演技がまた良かったです。