2020年11月14日

『そっと背中を押してくれる(仮)』③

この人も一人なのだろうか。 梨沙子は思った。 こういうところは家族連れやカップルが多くて、 なんだかんだ一人でいることを気にしてしまう自分がいる。 なので、一人で来ている人を見ると、親近感が湧き、少し安心する自分がいる。 もう一口、缶ビールに口をつけながら、 そっと横目で隣を確認する。 彼もこちらを見ていて、ふと目が合う。 お互い驚いたのち、軽く会釈をした。 同世代くらいだろうか。 優しそうな顔立 […]