2022年2月16日

『そっと背中を押してくれる(仮)』①⑨

  • 2022.02.16

あまりにも予想していなかった人物の登場に私の心は動揺していた。 咄嗟にホームの自動販売機の後ろに隠れた。 そこにいた男性は数時間前まで顔を合わせていた健二だった。 そして隣には少しお腹が大きくなってるように見えた女性。 胸に手を当てて、ゆっくりと深呼吸をする。 その時、ちょうど来た反対車線の電車に咄嗟に飛び乗った。 車内、窓に打ちつける雨足がだんだんと強くなってきたのを感じる。 窓の外を眺めながら […]